クリニックのMEO対策とは?集患につながるやり方・費用・注意点

近隣のクリニックをGoogleマップで調べたとき、ご自身の医院が他の医院より下の方に表示されてしまい、もどかしい思いをされたことはないでしょうか。口コミの数が少ない中で、何から手をつけてよいのか判断に迷う方も少なくありません。

クリニックにおけるMEO対策は、Googleビジネスプロフィールの情報を整えることと、患者からの口コミを集めることの2つが中心となります。この登録や基本的な運用は、今日からでも無料で進められます。

この記事では、検索順位が決まる仕組みから、具体的な6つの手順、効果を測る方法、費用の相場、そして運用上の注意点や診療科ごとの違いまでを詳しくお伝えします。

お手元でGoogleビジネスプロフィールの管理画面を開きながら、順を追って確認できる構成にしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

クリニックのMEO対策とは

「地域名+診療科」で検索したときのGoogleの画面(赤枠内がマップ枠の3件。2026年9月時点のGoogle検索結果)
「地域名+診療科」で検索したときのGoogleの画面(赤枠内がマップ枠の3件。2026年9月時点のGoogle検索結果)

MEOという言葉に正式名称があるわけではなく、一般的にはGoogleマップ最適化やローカルSEOと同じ意味合いで使われています。ここでは、MEO対策がどのような場所で、どのような情報を対象にしているのかをご案内します。

  • Googleマップの検索で自院を上位に出す取り組み
  • 表示される情報のもとはGoogleビジネスプロフィール
  • 「地域名+診療科」や「近くの内科」の検索で表示される

Googleマップの検索で自院を上位に出す取り組み

クリニックにおけるMEO対策の対象は、Googleマップ内での検索結果と、通常のGoogle検索の上部に地図とあわせて表示される3枠との2か所が中心となります。この地図つきの3枠はローカルパックと呼ばれ、患者の目に最も留まりやすい場所です。

この3枠の中に入ることができなかった医院は、「さらに表示」というボタンを押した先の画面にしか表示されません。そのため、患者に見つけてもらうには、まずこの3枠に入ることを目指すのが基本となります。

たとえば、患者が「〇〇市 内科」と検索したとき、画面の最初に地図とともに3つの医院の名前、評価の星の数、そして現在の診療時間が表示されます。この最初の画面に自院を出すことが、集患への第一歩となります。

表示される情報のもとはGoogleビジネスプロフィール

マップに表示される医院名や住所、診療時間をはじめ、院内の写真や患者からの口コミといった情報は、すべてGoogleビジネスプロフィールというサービスに登録されたデータがもとになっています。以前はGoogleマイビジネスと呼ばれていたこの仕組みを管理することが、MEO対策の土台となります。

もし医院側でまだ登録を済ませていない場合、Googleがウェブ上の情報を集めて自動で作成した簡易的な情報だけが表示されてしまいます。その状態では、診療時間や電話番号が古いままになっており、患者を逃してしまう原因になりかねません。

そのためMEO対策では、登録情報を正しく入力し、内容を充実させながら、最新の状態に保つ作業が中心になります。まずはご自身の医院の情報が正しく掲載されているかを確認するところから始めてみてください。

「地域名+診療科」や「近くの内科」の検索で表示される

先ほど触れた地図つきの3枠が表示されるのは、検索する言葉に特定の地域名が含まれているときや、スマートフォンの位置情報を使って現在地から探しているときです。医院を探す行動に直結する検索で、このマップ枠が登場します。

患者が使う検索の言葉は、大きく4つの型に分けられます。「地域名と診療科の組み合わせ」「近くの診療科」「駅名とクリニックの組み合わせ」、そして「症状と地域名の組み合わせ」です。これらの検索の型を意識して、プロフィールに載せる情報を整えると見つけてもらいやすくなります。

一方で、単なる症状や病名だけの検索では、マップ枠よりも詳しい解説記事などが優先して表示される傾向があります。こういった医療情報を探す検索に対応していくのはSEOの領域となるため、目的にあわせて取り組む内容を変えていくとよいでしょう。

クリニックのMEOの順位が決まる仕組み

マップの表示順位を決める3つの要素
マップの表示順位を決める3つの要素

検索したときにどの医院が上に出るかは、Googleが公表している関連性、距離、知名度という3つの要素によって決まります。このうち、医院側の取り組みで順位を押し上げられるのは関連性と知名度の2つです。

  • 検索語と登録情報が合うほど関連性が上がる
  • 検索した場所に近い医院ほど上に出る
  • 口コミとウェブでの知られ方が知名度になる

検索語と登録情報が合うほど関連性が上がる

関連性とは、患者が検索に入力した言葉と、ビジネスプロフィールに登録されている情報がどのくらい合致しているかを示す度合いのことです。この一致する部分が多いほど、Googleは患者の求めている医院だと判断して順位を上げやすくなります。

この評価を高めるために医院側で手直しできるのが、カテゴリの設定、提供している診療内容、説明文の3項目です。ここに、患者が検索で使いそうな言葉を自然な形で盛り込んでおくことが大切です。

たとえば、「〇〇市 発熱外来」で探している患者の検索結果に表示されるには、発熱外来を受け付けているという事実を、説明文や日々の投稿にあらかじめ書いておくことが有効な手立てとなります。

検索した場所に近い医院ほど上に出る

距離の要素は、検索している患者の現在地から、それぞれのクリニックまでの近さを測ったものです。もし「〇〇市」のように地域名を指定して検索した場合は、その地域の中心部からの距離が計算の基準として使われます。

この距離については、正しい住所を登録する以外に医院側で工夫できることはありません。医院の場所を後から動かすことはできないため、与えられた条件として受け止める要素になります。

ただ、この仕組みがあるおかげで、遠くにある大手の有名クリニックよりも、近隣にある小さな医院のほうが検索の上位に表示されやすくなります。つまり、商圏が限られているクリニックにとって、MEOは非常に有利に戦える施策といえます。

口コミとウェブでの知られ方が知名度になる

MEOにおける「知名度」とは、単なる名前の浸透度ではなく、ウェブ上での存在感を示す重要な指標です。これには、インターネット上での話題の多さに加え、マップに寄せられた口コミの件数や評価の高さが大きく影響します。

Googleが順位の計算に使う3つの要素と、クリニックが自分で手を加えられる部分を一覧にすると、以下のようになります。

要素Googleが見るものクリニックが動かせる部分
関連性検索語と登録情報の一致カテゴリ・診療内容・説明文
距離検索地点からの近さ動かせない(住所の正確な登録のみ)
知名度ウェブ上の知られ方・口コミ口コミの件数と評価・ホームページ・掲載サイト

この知名度を上げるために今日から取り組めるのが、来院した患者にお願いして口コミを集めることです。あわせて、ホームページや医療情報サイトに載っている医院の情報を正確に統一していくことも、知名度の評価につながっていきます。

クリニックにMEO対策が必要な理由

スマートフォンの画面でマップ枠が占める位置
スマートフォンの画面でマップ枠が占める位置

クリニックは通える範囲の患者を対象とするため、近隣で探されるマップ検索の仕組みと相性がよいという特徴があります。ここでは、なぜ多くの医院がMEO対策に力を入れるのか、その背景をご案内します。

  • 今日行く病院を探す患者はマップから選ぶ
  • マップ枠は自然検索より先に目に入る
  • 近隣なら小規模なクリニックでも上位を取れる
  • 無料で始められる
  • 星の数と口コミの件数で患者に比べられる

今日行く病院を探す患者はマップから選ぶ

急な発熱や痛みなどがあり、今日すぐに受診したいと考えている患者は、地域名や現在地を使って検索し、出てきたマップ枠からそのまま電話をかけたり経路を調べたりします。このスピード感が、マップ検索の大きな特徴です。

また、厚生労働省の令和5年受療行動調査(概数)によると、情報を入手している外来患者のうち、情報源として「家族・友人・知人の口コミ」を挙げた人が68.4%、「医療機関が発信するインターネットの情報」を挙げた人が28.8%にのぼります。インターネット上の情報は、いまや欠かせない受診のきっかけになっています。

外来患者が情報を入手している先
外来患者が情報を入手している先(出典:厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況」3ページ、2026年9月時点)

たとえば、外出先で急に体調を崩した会社員が「〇〇駅 内科 今日」と検索した場合、最初に見つけた現在営業中の医院にそのまま向かう行動が自然です。このような今すぐの来院を逃さないためにも、マップの整備は大きな意味を持ちます。

マップ枠は自然検索より先に目に入る

地域名を含めた検索を行うと、通常の検索結果(自然検索)の1位のサイトよりも、地図つきの3枠の方が画面の上部に表示されることがよくあります。特にスマートフォンの画面では、検索して最初に目に入るスペースをこのマップ枠が独占することになります。

これは、ホームページのSEO対策を頑張って自然検索で1位を取ったとしても、マップ枠に表示された3つの医院のほうが患者の目には先に入ってしまうことを意味します。患者の目に留まる順番を考えると、マップ枠の存在感は無視できません。

ちなみに、検索結果に広告が出稿されている場合は、一番上に広告、次にマップ枠、その下に自然検索という順番で並びます。いずれにしても、自然検索の一覧よりもマップの方が患者に近い位置にあることは間違いありません。

近隣なら小規模なクリニックでも上位を取れる

MEOの順位を決める仕組みには検索地点からの距離が含まれているため、どれほど有名な大病院であっても、検索している患者から遠ければ表示されにくくなります。そのため、患者のすぐ近くにあるクリニックの方が圧倒的に有利な条件で戦えます。

これがホームページのSEO対策となると、全国規模の医療メディアや大学病院のサイトと同じ土俵で競うことになり、上位に入るのは簡単ではありません。MEO対策は、このような規模の差を跳ね返せる貴重な手段といえます。

一言でまとめると、医院から半径数キロメートル以内の新患を集めたいのであれば、MEO対策は最も競争が緩やかで結果を出しやすい領域だということです。まずはMEO対策から着手することをおすすめします。

無料で始められる

Googleビジネスプロフィールの大きな魅力は、医院の登録から日々の運用まで、すべての機能を無料で使えることです。費用をかけずにインターネット上の看板を整えられるのは、経営面でも大きな助けになります。

費用が発生する場面があるとすれば、プロのカメラマンに院内の撮影を依頼したときや、毎月の運用作業を外部の業者に任せるときくらいです。自分たちで作業を進める限りは、持ち出しの費用はかかりません。

無料で始められるからこそ、まずはGoogleビジネスプロフィールの登録だけでも済ませておく価値があります。なお、具体的な作業を始めてから効果が見えるまでの期間については、次のSEOとの違いの章で詳しく見ていきます。

星の数と口コミの件数で患者に比べられる

マップ枠には、医院の名前と一緒に星の評価と口コミの件数が必ず表示されます。患者は検索結果の画面で、この星の数と件数を見ながら、表示された3つの医院を無意識のうちに見比べています。

もし検索順位が1番上だったとしても、口コミが1件もなかったり、評価が2点台だったりすると、すぐ下にある評価の高い医院が選ばれてしまうことがよくあります。見つけてもらうだけでなく、選ばれる理由を作ることが大切です。

この星の数と口コミの件数を増やしていくための具体的な手順は、後のSTEP6で詳しくご案内します。まずは近隣の医院がどれくらいの評価を集めているか、検索して確かめてみることから始めてみましょう。

クリニックのMEOとSEOの違いと使い分け

検索結果のどこがMEOの対象で、どこがSEOの対象か
検索結果のどこがMEOの対象で、どこがSEOの対象か

「SEOとMEOのどちらに力を入れるべきか」という疑問への答えは、どのような患者さんに来てほしいかによって変わります。それぞれの特徴を整理して、無理のない使い分けをご案内します。

  • マップ枠に出るのがMEO、自然検索の一覧に出るのがSEO
  • MEOは今日行く先を探す患者に、SEOは症状を調べる患者に届く
  • MEOは1〜3か月、SEOは半年以上で効果が見え始める
  • 費用はMEOが無料から、SEOはページや記事の制作費
  • 近隣の新患を取るならMEOから始める

マップ枠に出るのがMEO、自然検索の一覧に出るのがSEO

MEO対策が目指すのは、Googleマップの中と検索結果の上部にある地図つきの3枠に表示されることです。一方のSEO対策は、その下に続く通常の検索結果(自然検索)の一覧で、自院のホームページを上位に出すことを目的としています。

この2つの違いをわかりやすく一覧にまとめると、以下のようになります。

比べる点MEOSEO
出る場所Googleマップ・検索結果のマップ枠自然検索の一覧
届く患者今日行く先を探す近隣の患者症状・治療を調べている患者
効果までの期間1〜3か月(当社の目安)半年以上(当社の目安)
かかる費用無料からページ・記事の制作費
主な作業プロフィールの整備・投稿・口コミページの改善・記事の追加

検索結果の画面では、マップ枠にも自然検索にも同じ医院が表示されることがあります。ホームページの情報を整えればMEOの評価も上がりやすくなります。このように、片方を整えるともう一方にも良い影響が及ぶ関係にあります。

MEOは今日行く先を探す患者に、SEOは症状を調べる患者に届く

MEO対策は、「今すぐ受診できる場所」を決める最終段階にいる患者の目に留まりやすいという強みがあります。一方でSEO対策は、自分の不調の原因や治療法をじっくり調べている段階の患者に情報を届けるのに向いています。

たとえば、「〇〇市 皮膚科」と検索する人は受診先を探しているためMEOが効果的ですが、「湿疹 かゆみ 治らない」と検索する人は原因を知りたがっているため、詳しい解説ページを用意するSEOの出番となります。

つまり、すぐに新患を増やしたい、即効性を求めるならMEO対策を、特定の疾患に対する専門性をじっくりと知ってもらい、認知を積み上げていきたいならSEO対策を意識するとよいでしょう。

MEOは1〜3か月、SEOは半年以上で効果が見え始める

取り組みを始めてから結果が出るまでの期間も、この2つでは大きく異なります。当社の支援実績を基準にした目安として、MEOは1〜3か月ほど、SEOは6〜12か月ほどで数字の変化が見え始めます。

MEOの効果が比較的早く現れるのは、登録した情報や投稿がすぐに画面へ反映されるためです。一方でSEOは、新しく書いた記事やページがGoogleに読み込まれ、評価が定まるまでにどうしても時間がかかってしまいます。

ただし、開業したばかりで口コミがまだ1件もないクリニックの場合は、MEOであっても患者からの信頼を得て表示が安定するまでに少し時間がかかります。焦らずに情報を育てていくつもりで取り組んでみてください。

費用はMEOが無料から、SEOはページや記事の制作費

費用のかかり方にも違いがあります。MEO対策はGoogleビジネスプロフィールの登録も日々の運用も無料で行えるため、外部のカメラマンに撮影を頼んだり、運用を業者に任せたりしない限りは費用ゼロで進められます。

たとえば、院内の写真をご自身のスマートフォンで撮影して追加したり、お知らせを投稿したり、患者からの口コミに返信したりする作業は、すべて院内だけで完結させることができます。

一方でSEO対策は、新しく専門的な記事を書いたり、ホームページの作りを根本から直したりする必要があるため、制作会社に払う費用が先に出ていくことが一般的です。MEOの外注費用については、後半の費用の章で詳しくお伝えします。

近隣の新患を取るならMEOから始める

近隣にお住まいの新しい患者さんに来てほしいと考えているクリニックは、まずMEO対策から手をつけるのがおすすめです。もし自由診療や専門性の高い外来があり、遠方からも患者を集めたい場合は、MEOと並行してSEOにも早くから取り組むとよいでしょう。

クリニックのMEO対策の全体の流れ
クリニックのMEO対策の全体の流れ

医院の状況に合わせて優先順位をつけるとすれば、開業直後でまだ口コミがない場合はMEOの基本整備を最優先にします。どちらにも予算をかけられない場合でも、無料でできるMEOのプロフィール整備だけは済ませておくことを提案します。

「SEOとMEOのどちらが大事か」と比べるのではなく、「どちらから先に手をつけるか」という順番で考えるのが自然です。多くのクリニックにとっては、費用がかからずすぐに始められるMEO対策が第一歩となります。

STEP1. Googleビジネスプロフィールにクリニックを登録する

STEP1 Googleビジネスプロフィールに登録する
STEP1 Googleビジネスプロフィールに登録する

MEO対策の具体的な作業は、大きく6つのステップに分かれます。ここからは、その最初のステップである、Googleビジネスプロフィールへの登録と管理者としての確認作業についてご案内します。

  • 医院名で検索して、すでにある登録を探す
  • オーナー確認を済ませる
  • 前の管理者の登録が残っていれば権限を引き継ぐ

医院名で検索して、すでにある登録を探す

新しい登録作業を始める前に、まずはGoogleマップを開いてご自身の医院名で検索してみてください。Googleが自動で作ったプロフィールや、以前のスタッフが作ったプロフィールがすでに存在しているかどうかを確かめるためです。

もし自院のプロフィールがすでに見つかり、まだ誰も管理していない状態であれば、「ビジネスオーナーですか?」といった確認を促す案内が表示されます。その案内から、オーナー確認の手続きに進みます。

検索しても医院の情報がまったく出てこない場合は、Googleビジネスプロフィールの公式ページにアクセスし、新しいビジネスとして一から情報を登録します。

オーナー確認を済ませる

管理者としてプロフィールを自由に編集するには、Googleが指定する「オーナー確認」という手続きを完了させる必要があります。これを済ませておかないと、診療時間の変更や休診日のお知らせ、患者からの口コミへの返信といった重要な機能が使えません。

オーナー確認は、その医院が本当にそこに存在し、あなたが正当な管理者であることを証明する手続きです。電話やSMS、メール、場合によってはライブビデオ通話やハガキの郵送など、Googleが指定した方法で行います。

どの確認方法が使えるかは、医院の状況に応じてGoogle側のシステムが自動的に判断します。そのため、手軽な電話確認を選びたくても、ハガキによる確認しか選べない画面になることもありますが、焦らずに画面の指示に従って進めてください。

前の管理者の登録が残っていれば権限を引き継ぐ

もし検索したときに、すでに誰かが管理しているプロフィールが見つかった場合は注意が必要です。前の院長先生やホームページを作った制作会社、あるいは退職したスタッフが管理権限を持ったままになっているケースがよくあります。

このときは、新しく別のプロフィールを作ってはいけません。プロフィールの追加画面から既存の情報を探し、「アクセス権限をリクエスト」という申請を送ります。現在の管理者は、このリクエストに3日以内に返答する決まりになっています。

同じ医院のプロフィールを新しく作ってしまうと、情報が2つ存在する「重複」という状態になり、後から統合する手間が増えてしまいます。まずは既存の登録を引き継ぐことを第一に考えてみてください。

STEP2. クリニックのプロフィールに入れる基本情報

STEP2 プロフィールに入れる基本情報
STEP2 プロフィールに入れる基本情報

管理画面に入れるようになったら、次は基本情報を整えていきます。ここに正確な情報を入れることで、検索との関連性が高まり、患者にとっても迷わずに来院できる親切な案内になります。

  • ビジネス名は看板と同じにする
  • カテゴリは主な診療科を1つ、残りは追加カテゴリに
  • 診療時間は昼休みと休診日まで入れる
  • 電話番号・ウェブサイト・予約リンクを分けて登録する
  • 説明文には診療内容とアクセス、医院の方針を書く
  • 属性で車椅子対応などの設備を示す

ビジネス名は看板と同じにする

プロフィールの顔となる「ビジネス名」は、医院の看板と同じ表記にするのがGoogleのルールです。ガイドラインでは、店舗やホームページ、書類などで一貫して使われ、患者に認知されている名称を登録するよう定められています。

ビジネス名に足してよい情報と足せない情報
ビジネス名に足してよい情報と足せない情報

看板、ホームページの最上部、そして患者に渡している診察券を並べて見比べてみてください。その中で最も共通して使われている表記を、そのままビジネス名として入力します。

「医療法人社団〇〇会」といった法人名は、もし医院の看板に書かれていないのであればビジネス名には含めず、後で設定する「ビジネスの説明」の中に書くようにします。名前に宣伝文句などを足してはいけないという注意点については、後半で詳しくお伝えします。

カテゴリは主な診療科を1つ、残りは追加カテゴリに

カテゴリの設定は、検索の関連性に最も強く影響する大切な項目です。選べるカテゴリの中で、メインのカテゴリとして設定できるのは1つだけですので、医院の中心となる診療科に最も近いものを慎重に選んでください。

メインを決めたあと、残りの診療科目は「追加カテゴリ」の枠を使って補う形をとります。複数の診療をバランスよく登録することができます。

ここで気をつけるべきなのは、実際には提供していない診療科のカテゴリを安易に追加しないことです。これはガイドラインの違反にあたるため、あくまで現在対応できる範囲のカテゴリに留めておくようおすすめします。

診療時間は昼休みと休診日まで入れる

診療時間の項目では、曜日ごとに複数の時間帯を分けて登録することができます。午前と午後の診療の間に昼休みがある場合も、その休憩時間を除いた正確な受付時間を登録できます。

祝日のお休みや年末年始、または学会参加などによる臨時の休診日は、「特別営業時間」という別の項目を使って、特定の日付を指定してお休みに設定します。

この診療時間の登録を間違えたり忘れたりしていると、実際に開いているのにマップ上では「営業時間外」と表示されてしまいます。そうなると、患者は電話をかけるのをためらい、来院の機会を逃してしまうため、正確な登録を心がけてください。

電話番号・ウェブサイト・予約リンクを分けて登録する

連絡先の情報として、電話番号、ホームページのアドレス、予約ページのアドレスはそれぞれ決められた枠に分けて入力します。電話番号は、患者がマップからすぐにかけられる代表番号を1つ登録しておきます。

ウェブサイトの項目にはクリニックの公式ホームページのトップページのURLを入れ、予約の項目には初診受付などの予約専用ページのURLを入れます。この2つをきちんと分けておくことが患者への配慮になります。

もしウェブサイトの欄に直接予約ページを入れてしまうと、どのような治療を行っているのか、どんな先生がいるのかをまず確かめたい患者が戸惑ってしまいます。予約のリンクを追加する項目が用意されている場合は、それぞれの枠を正しく使い分けてください。

説明文には診療内容とアクセス、医院の方針を書く

「ビジネスの説明」という項目には、全角で375文字(半角で750文字)まで、クリニックの紹介文を書くことができます。ここには、対応できる症状や具体的な診療内容、最寄り駅からのアクセス、そして院長の方針などを簡潔にまとめます。

この説明文を書くとき、Googleのガイドラインによって禁止されている表現があります。ホームページへのリンク(URL)を直接書き込むことや、割引などの特典を過度に強調する文章を入れることは控えてください。

さらに、医療機関としての配慮も必要です。「必ず治る」「地域で最高」といった治療効果や他院に対する優位性を断定する言葉は、医療広告の観点からもふさわしくないため、事実を淡々と伝える誠実な文章にすることをおすすめします。

属性で車椅子対応などの設備を示す

プロフィールの詳細な情報を伝えるための機能として「属性」という項目があります。ここを設定すると、「車椅子対応の入り口」や「車椅子対応のトイレ」といった設備の有無を患者にわかりやすく示すことができます。

これらの属性情報は、マップの検索結果の画面にもアイコンや文字で表示されます。「車椅子で行ける医院」といった特定の条件で探している患者にとって、この情報は医院を選ぶ際の強力な後押しになります。

設定する際の注意点として、実際には対応していない設備やサービスを属性として追加してはいけません。来院した患者をがっかりさせないよう、今ある設備を正確にチェックして登録してください。

STEP3. クリニックの名前・住所・電話番号(NAP)をそろえる

STEP3 名前・住所・電話番号(NAP)をそろえる
STEP3 名前・住所・電話番号(NAP)をそろえる

NAPとは、Name(名前)、Address(住所)、Phone(電話番号)の頭文字をとったものです。インターネット上でこの3つの表記がバラバラだと、知名度の評価が上がりにくくなるため、統一する作業をご案内します。

  • 基準は公式ホームページの書き方にする
  • 予約サイトや医療情報サイトの表記と見比べる
  • 全角半角・ビル名・ハイフンの有無まで同じにする
  • 移転や改称のときは古い情報を残さない
  • 同じ医院の登録が2つあればGoogleに統合を頼む

基準は公式ホームページの書き方にする

医院名、住所、電話番号の3つの情報は、まず公式ホームページに書かれている表記を基準にします。そして、他のすべての媒体の表記を、このホームページの書き方に合わせて書き換えていきます。

表記がそろっている状態と、割れている状態
表記がそろっている状態と、割れている状態

なぜ表記をそろえるかというと、この3点がさまざまなサイトで完全に一致していることで、Googleが「これらはすべて同じ医院の情報だ」と結び付けやすくなるからです。表記が割れていると、せっかくの評判や知名度の評価が分散してしまいます。

ホームページの表記に合わせて他を書き換えるだけの作業です。費用をかけずにGoogleからの知名度評価を高められる、効果的な取り組みです。

予約サイトや医療情報サイトの表記と見比べる

具体的には、Googleビジネスプロフィール、公式ホームページ、予約システムの画面、医療情報サイト・地図アプリ、そしてSNSのアカウントという5種類の媒体を一覧にして、表記を見比べてみます。

媒体確かめる項目よくあるずれ
Googleビジネスプロフィール医院名・住所・電話番号旧住所・旧番号
公式ホームページフッターとアクセスページビル名の有無
予約サイト医院名の表記法人名入り
医療情報サイト・地図アプリ住所の番地表記全角半角
SNSプロフィール欄略称

このように並べてみると、意外なところで表記が少しずつずれていることに気づくはずです。直す順序としては、自院で管理している公式ホームページを軸にして、他のサイトの登録情報をひとつずつ合わせていくとスムーズに進みます。

全角半角・ビル名・ハイフンの有無まで同じにする

表記をそろえるときは、細部まで徹底的に同じ形にすることが大切です。たとえば住所の「3-27-11」と「3丁目27-11」の違いや、ビル名や階数を入れるか入れないか、電話番号のハイフン(-)の有無まで、細部を完全に一致させます。

これから迷わないために、院内で「住所はこの書き方にする」というルールを1つ決めてしまい、患者に渡す書類や院内の文書にも常に同じ形を使うようにする仕組みを作るとよいでしょう。

あわせて、住所欄に入力する内容そのものにもルールがあります。Googleマップの住所欄には、実際に患者を受け入れて診療を行っている所在地を入力する決まりになっています。遠隔地の私書箱などを住所として登録することはできないため、必ず実際の場所を入力してください。

移転や改称のときは古い情報を残さない

クリニックが別の場所へ移転したときや、名前を変えたとき、あるいは電話番号が変更になったときは、プロフィールと公式ホームページ、予約サイトの情報をすべて同じ日のうちに更新して切り替えるよう手配します。

インターネット上のどこかに古い情報が残ったままだと、それを見た患者が前の住所に向かってしまい、「場所が違った」という不満から低評価の口コミを書かれてしまう原因になります。

Googleからの案内によると、移転の場合は新しくプロフィールを作り直すのではなく、今使っているプロフィールの住所欄だけを新しいものに編集することが推奨されています。

同じ医院の登録が2つあればGoogleに統合を頼む

もしGoogleマップ上に、ご自身の医院のプロフィールが2つ存在してしまっているのを見つけたら、早めに対処が必要です。2つあると、患者からの口コミや評価が分散してしまい、検索順位の面でも不利になります。

この場合は、Googleマップの画面から「提案を報告」という機能を使って、重複しているため統合または削除してほしいとGoogleに依頼し、審査が終わるのを待ちます。

ただし、統合の手続きを行うと、寄せられていた口コミの文章自体は残りますが、それに対して医院側が返信したコメントは消えてしまう可能性がある点には気をつけておいてください。

STEP4. クリニックの写真で院内の様子を見せる

STEP4 写真で院内の様子を見せる
STEP4 写真で院内の様子を見せる

初めての病院に行くとき、患者はさまざまな不安を抱えています。院内の写真を充実させることは、その不安を和らげる有効な手段です。ガイドラインを守りながら、どのような写真を載せればよいかをご案内します。

  • 入口・待合室・診察室の順にそろえる
  • 外観は通りから見つけやすい向きで撮る
  • スタッフが写る写真は本人の同意を取る
  • 医療機器は名前と用途を添える
  • 少しずつ足して、古い写真は入れ替える

入口・待合室・診察室の順にそろえる

写真を登録していく際は、まず入口、待合室、診察室の3か所の風景からそろえていくことをおすすめします。これに加えて、建物の外観と受付の様子をそれぞれ1枚ずつ用意できれば、基本の準備は十分です。

まずそろえたい5種類の写真
まずそろえたい5種類の写真

なぜこの順番なのかというと、初めて訪れる患者が知りたいのは「迷わずにたどり着けるか」「どのような場所で待つのか」「どんな雰囲気の部屋で診察を受けるのか」という来院の流れに沿った情報だからです。

写真の登録順とは別に、設定画面にある「ロゴ」と「カバー写真」も、検索結果の一覧で真っ先に表示される重要な場所です。ここには、クリニックのロゴマークと、最もわかりやすい外観の写真をそれぞれ割り当てておくと見栄えが良くなります。

外観は通りから見つけやすい向きで撮る

外観の写真は、患者が実際に歩いてくる方向を想像しながら撮影しましょう。クリニックの看板と建物の入口が1枚の写真の中に同時に収まる角度にすると、道案内の代わりとしてとても役に立ちます。

もし医院がビルの中にある場合は、ビルの1階の入口の様子や、乗るべきエレベーター、そして階数がわかる案内板の写真を1枚ずつ加えておくと、迷わず上がってきてもらいやすくなります。

Googleの写真に関するガイドラインでは、実際の場所をそのまま写した写真であることが求められています。実物とかけ離れるような大幅な加工や過度なフィルターは控え、推奨されている縦720×横720ピクセル以上の鮮明な画像をアップロードしてください。

スタッフが写る写真は本人の同意を取る

院内の雰囲気を伝えるためにスタッフの顔写真を載せたい場合は、必ず事前に本人から書面で同意を得てから掲載するルールを院内で作っておくことをおすすめします。また、診察風景であっても患者の顔や姿は写さないよう配慮してください。

これは、スタッフが退職した後に写真の削除を求められたり、肖像権に関する思わぬトラブルに発展したりするのを未然に防ぐためです。

院長先生や医師の写真を載せるときは、同意の確認に加えて、写真のキャプションに「名医」や「ベテラン」といった主観的な評価を添えるのも避けます。事実を不当に大げさに言ったり、患者に誤解を与えたりする表現は誇大広告とみなされるおそれがあるため、肩書や名前だけを添えるにとどめてください。

医療機器は名前と用途を添える

内視鏡や超音波エコー、レントゲンといった立派な医療機器の写真を載せるときは、ただ写真を置くのではなく、その機器の正式名称と「どのような検査に使うためのものか」を簡単な説明文として添えることを提案します。

患者は機械の見た目だけを見ても、それが何をするものか判断できません。「この機械があるから、こんな検査ができる医院なんだ」と伝わって初めて、受診を決める理由につながります。

ただし、「当院の機器は他院より優れています」といった表現は比較優良広告にあたります。「最高の検査ができます」という言い回しも最上級表現として禁止されているため、機器の機能という客観的な事実だけを記すようにします。

少しずつ足して、古い写真は入れ替える

写真は、最初に一度だけ大量に登録して終わりにするのではなく、毎月少しずつ新しいものを追加していく運用をおすすめします。写真が増えていくことで、Googleにも患者にも「しっかり更新されている活気のある医院だ」という印象を残すことができます。

新しい写真を追加するのとあわせて、改装前の古い院内の様子や、デザインが変わる前の昔の看板、すでに退職したスタッフの写っている写真などは、患者の混乱を招くため速やかに削除します。

なお、患者自身が親切心で投稿してくれた写真については、医院側から勝手に削除することはできません。もし無関係な写真が投稿されている場合は、ポリシー違反としてGoogleに報告して対応を待つ形になります。

STEP5. クリニックの投稿で休診日や予防接種を知らせる

STEP5 投稿で休診日や予防接種を知らせる
STEP5 投稿で休診日や予防接種を知らせる

プロフィールには、短いお知らせ記事を掲載できる「投稿」という機能があります。この投稿を継続的に行うことで、最新の情報を患者に届けられるだけでなく、順位を決める要素である知名度の評価にも良い影響を与えます。

  • 最新情報・イベント・特典の3種類を使い分ける
  • 臨時休診は投稿と特別営業時間の両方に入れる
  • 予防接種や健診など季節の話題を選ぶ
  • 割引を前面に出す告知は避ける

最新情報・イベント・特典の3種類を使い分ける

投稿を作成する画面では、お知らせの種類として「最新情報」「イベント」「特典」の3つから選ぶことができます。クリニックの運用で日常的に使うのは、ほぼ「最新情報」と「イベント」の2種類になります。

使い分けとしては、日々の診療に関するご案内や急な休診のお知らせは「最新情報」を選びます。一方で、受付期間が限定された健康診断や、院内で開く市民向けの説明会などは「イベント」を選ぶとわかりやすくなります。

なお、あまり使わない特典を含めても、投稿の種類ごとに入力必須の項目は決まっています。特典の投稿にはタイトルと有効期間(開始・終了の日時)、イベントの投稿にはタイトルと開催の日時が必須です。

臨時休診は投稿と特別営業時間の両方に入れる

学会への出席などで急に医院を閉めることになった臨時休診のお知らせは、STEP2でご案内した「特別営業時間」への日付登録だけでなく、この投稿機能を使ったお知らせもあわせて行うとより親切です。

特別営業時間の登録だけだと、マップ上の表示が「休業」に変わるだけですが、投稿を使えば「なぜ休診なのか」「振替の診療日はいつか」といった理由や代替の手段を患者に丁寧な言葉で伝えられるからです。

たとえば、年末年始のまとまったお休みや、ワクチンの入荷を待っていて一時的に受付を止めているといった状況も、この投稿で補足説明をしておくことで、患者の無駄足や問い合わせの電話を減らすことができます。

予防接種や健診など季節の話題を選ぶ

「投稿を続けたいけれど、何を書けばいいかわからない」と迷ったときは、その季節ならではの診療の話題を題材に選ぶと、無理なく毎月のお知らせを続けることができます。

1年間の話題の例を一覧にまとめました。

時期題材の例
1〜3月花粉症の受付開始・インフルエンザの流行状況
4〜6月健康診断・新生活の相談
7〜9月熱中症・夏の感染症
10〜12月インフルエンザ予防接種・年末年始の診療

更新は、決まった曜日に投稿する習慣にすると長続きします。もし忙しくて間隔が空いてしまっても、やめてしまわずにマイペースで続けることが大切です。

割引を前面に出す告知は避ける

投稿機能を使って新しい患者を呼び込もうとするあまり、「期間限定で〇〇療法を50%オフ」「今ならキャンペーン実施中」といった、費用や安さを前面に押し出した告知を行うことは控えるようおすすめします。医療広告ガイドラインでは、こうした費用を強調した広告は医療の品位を損ねるとして厳に慎むべきとされています。

平成29年の医療法改正により、患者を誘い込む意図があり(誘引性)、特定の病院名がわかる(特定性)ウェブサイトやプロフィール上の記述も、すべて広告規制の対象として見られるようになりました。

もし自由診療の料金について投稿でお知らせしたい場合は、単に値段を書くのではなく、治療の内容、標準的な費用、必要な期間や回数、そして主なリスクや副作用の情報をセットにして、正確に示す書き方をご提案します。

STEP6. クリニックの口コミを集めて全件に返信する

STEP6 口コミを集めて全件に返信する
STEP6 口コミを集めて全件に返信する

Googleマップにおける口コミは、検索順位の向上と、患者が来院を決めるための最後の後押しの両方に強く作用します。ここでは、口コミを集めて管理していくための基本的な取り組み方をご案内します。

  • まず件数と平均評価を近隣の医院と比べる
  • 会計時にQRコードのカードを渡す
  • 返信は全件に、受診の事実に触れずに書く
  • 事実と違う低評価はGoogleに削除を頼む

まず件数と平均評価を近隣の医院と比べる

口コミを集める取り組みを始める前に、まずは「地域名+ご自身の診療科」で実際に検索してみて、マップ枠に表示される3つの医院の口コミ件数と平均の星の数を、自院の数字と横に並べて比べてみてください。

Googleは検索順位を決める要素である「知名度」の中に、口コミの件数と評価が含まれていることを公表しています。つまり、他の医院と距離などの条件が同じであれば、口コミの評価が高く件数が多いほど上に出やすくなるという明確な仕組みがあります。

このとき、ただ星の平均点が高いだけでなく、件数がしっかりと集まっていて、なおかつ最近書かれた新しい口コミがあるかどうかも評価されています。まずは近隣の医院の数字を目標に設定してみましょう。

会計時にQRコードのカードを渡す

口コミの件数を着実に増やしていくには、受診を終えた患者が会計を済ませるタイミングで、専用のQRコードを印刷した小さなカードをお渡しし、投稿画面へ最短でたどり着けるように案内するのが最も効果的です。

カードを渡す際の声かけとしては、「よろしければ受診の感想をGoogleにお寄せください」といった具合に、良い評価を強制したり書く内容を指定したりしない、自然なお願いの形にすることをおすすめします。

気をつけておきたいのは、口コミと引き換えに割引や粗品を渡す行為も、「星5をつけてください」と内容を指定する依頼も、Googleのポリシーで明確に禁止されている点です。ルールを守った健全な集め方を心がけてください。

関連記事:クリニックのGoogle口コミを増やす方法|今日から始められる6つの施策と注意点

返信は全件に、受診の事実に触れずに書く

患者から寄せられた口コミには、星5つの高い評価であっても、厳しいお叱りの低評価であっても、分け隔てなくすべての投稿に返信することをご提案します。ただし、返信の文章の中で、その患者が受診した事実や症状、治療の内容には絶対に触れないでください。

口コミ返信に入れる3つの要素と、書かない内容
口コミ返信に入れる3つの要素と、書かない内容

刑法134条では、医師が正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らすことを禁じており、違反すると6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金の対象となります。ネット上の返信であっても、患者のプライバシーに関する情報は守秘義務の対象です。

そのため、安全な返信の形としては、感謝の言葉、医院の方針、次回の案内という3つの要素を組み合わせ、治療の内容には触れない定型文を用意しておく方法がおすすめです。

事実と違う低評価はGoogleに削除を頼む

口コミをオープンにしていると、実際には受診していない人からの書き込みや、個人的な嫌がらせ、スタッフの個人情報を晒すような悪質な投稿が寄せられることがあります。こうした投稿は、Googleのクチコミポリシー違反として削除を報告することができます。

報告の手順は、該当する口コミのメニューから「報告」を選び、違反している理由の種類(個人情報、嫌がらせなど)を選択して送信するだけです。あとはGoogle側の審査結果を待つことになります。

ただし、待ち時間が長かったなど、医院の対応に対する事実に基づく不満から書かれた低評価は、報告しても削除されません。その場合は、言い訳をせずに真摯に受け止め、返信の中で今後の改善に向けた姿勢を示すことで、それを見た他の患者からの信頼につなげてください。

クリニックのMEO対策の効果測定

管理画面の数字と、実際の来院のつながり
管理画面の数字と、実際の来院のつながり

MEO対策の作業を進めたら、それが本当に集患につながっているのかを数字で確かめる仕組みを作ります。管理画面のデータと院内での記録を組み合わせて測る方法をご案内します。

  • 「閲覧数」でプロフィールを見た人数を追う
  • 電話・ルート・ウェブサイトの回数を見る
  • 「検索語句」で患者が使った言葉を知る
  • 「地域名+診療科」の順位を毎月同じ条件で測る
  • マップ経由の来院数を受付で記録する

「閲覧数」でプロフィールを見た人数を追う

効果を確認するためにまず見るべき数字は、管理画面の「パフォーマンス」という項目の中にある「閲覧数」です。これは、Google検索とGoogleマップの両方で、クリニックのプロフィール情報を見たユーザーの数を示しています。

この数字は、毎月の推移をエクセルなどに記録して、写真を追加したり投稿を始めたりする前と後でどう変化したかを見比べると、取り組みの効果がはっきりとわかります。

なお、この閲覧数は、Google検索から見られた回数とGoogleマップアプリから見られた回数を合算した数字です。そのため、どちらの経路から見られたかを別々に分けて見ることはできない仕様になっています。

電話・ルート・ウェブサイトの回数を見る

プロフィールを見た患者が次にどのような行動を起こしたかも、「パフォーマンス」の画面で確認できます。マップから直接電話をかけた「通話」、経路を調べた「ルートのリクエスト」、公式の「ウェブサイトのクリック」、そして「予約」の回数がわかります。

これらの指標の意味と、チェックする頻度を一覧にしました。

指標分かること見る頻度
閲覧数プロフィールを閲覧したユーザーの数月1回
通話マップから電話をかけた回数月1回
ルート経路検索をした回数月1回
ウェブサイトのクリック公式サイトへ移った回数月1回
予約予約リンクを押した回数月1回

もし、閲覧数は順調に増えているのに通話の回数がまったく増えていない場合は、患者が受診をためらう理由があるのかもしれません。そのときは、診療時間の登録が間違っていないか、院内の写真が暗くて不安を与えていないかといった基本の見直しから始めてみてください。

「検索語句」で患者が使った言葉を知る

同じく「パフォーマンス」の画面にある「検索語句」という項目を見ると、患者が実際にどのような言葉を検索窓に入力してご自身の医院を見つけたのか、その具体的な言葉と検索された回数を知ることができます。

このデータを見るときは、すでに医院を知っている人が検索した「医院名(指名)」での検索と、初めてのクリニックを探している人の「地域名 診療科(発見)」での検索を分けて考え、発見につながる検索の割合を増やしていくことを目標にします。

たとえば、「〇〇市 発熱外来」という言葉での検索が多いにもかかわらず、プロフィールの属性や日々の投稿に発熱外来に関する情報が何も書かれていない場合は、その情報をすぐに追記します。

「地域名+診療科」の順位を毎月同じ条件で測る

検索順位は、検索している人の現在地や時間帯によって常に変動するため、一度だけ見て一喜一憂するのではなく、月に1回、必ず同じ場所で同じ言葉を入力して順位を測り、記録していくことをおすすめします。

具体的な測り方としては、ブラウザの「シークレットウィンドウ」機能を開いて「地域名 診療科」と検索し、マップ枠に表示された上位3件の医院名と、「さらに表示」を押した先の自院の順位を手元に控えておきます。

このとき注意したいのは、院内から検索してしまうと、距離の要素が強く働いて自院が不自然に上に出てしまうことです。実際の患者の居住地に近い場所、たとえば最寄り駅の周辺などを基準の地点と定めて順位を確かめるようにしてください。

マップ経由の来院数を受付で記録する

ここまでに見てきた管理画面の数字は、あくまで画面が見られた回数やボタンが押された回数であって、実際に来院した新患の数そのものではありません。正確な効果を知るには、院内の受付で「何を見て来院したか」を直接聞き取る必要があります。

初めて来院された患者の問診票に項目を設けるか、受付のスタッフから口頭で確認し、月ごとに「Googleマップ」「ホームページ」「紹介」「その他」の4つの区分に分けて新患の人数を数えて集計します。

この受付で記録した「マップ経由の新患数」こそが、MEO対策の本当の成果です。運用を外部の業者に任せるときの費用対効果も、この数字を基準にして判断することになります。その計算方法は、この先の費用の章で詳しくご案内します。

診療科で変わるクリニックのMEO対策

診療科で変わるMEO対策の重点
診療科で変わるMEO対策の重点

MEO対策の基本となる6つのステップはどの診療科でも同じですが、患者が検索する言葉や、医療法などの規制の重さ、そして口コミへの向き合い方は診療科によって大きく異なります。主な診療科ごとのポイントをご案内します。

  • 美容クリニックは自由診療の料金を総額と条件つきで書く
  • 歯科医院は「歯医者」と「歯科」の両方の語を説明文に入れる
  • 内科は発熱外来や予防接種の受付状況を投稿で示す
  • 心療内科・精神科は口コミ返信で受診の事実に触れない

美容クリニックは自由診療の料金を総額と条件つきで書く

美容クリニックなどで自由診療の具体的な料金をプロフィールや投稿に記載したい場合は、医療広告ガイドラインで定められた「限定解除の要件」をすべて満たす書き方にする必要があります。この要件とは、治療内容、費用、期間と回数、そして主なリスクや副作用のことです。

正しい書き方の例としては、「〇〇療法 1回〇円(〇回が目安)・副作用:一時的な赤みなど」といった具合に、かかる費用の総額と治療に関する条件を、必ず同じ場所にわかりやすく併記する形をとります。

また、美容の領域は他の診療科に比べて競合となる医院が多く、患者も複数の医院をじっくり比較してから指名検索で訪れる傾向があります。そのため、プロフィールに載せる写真の質の高さと、口コミの件数の多さが、選ばれるかどうかに大きく影響します。

歯科医院は「歯医者」と「歯科」の両方の語を説明文に入れる

歯科医院を探す患者は、検索窓に入力する言葉が「歯医者」「歯科」「デンタルクリニック」と人によって大きく分かれるという特徴があります。そのため、カテゴリの登録に加えて、ビジネスの説明文の中にこれらの言葉をすべて自然な形で含めておくことをおすすめします。

また、歯科はほかの診療科よりも商圏が狭く、すぐ近くに競合の医院がいくつも存在します。距離の条件がほぼ同じになるため、近隣の医院と比べた口コミの件数や評価の多さが、順位や患者の選択に直結しやすくなります。

なお、歯科には分院ごとのプロフィールの分け方や、症例写真の扱いなど特有の作業があります。歯科医院ならではの詳しいMEO対策の手順については、以下の関連記事を参考に進めてみてください。

関連記事:歯科医院のMEO対策とは?Googleマップで新患を増やす手順と費用を解説

内科は発熱外来や予防接種の受付状況を投稿で示す

内科を受診しようとする患者は、「今から発熱外来を受け付けてもらえるか」「インフルエンザの予防接種はやっているか」「健康診断は受けられるか」といった、具体的な受付状況を知るために検索するケースが非常に多くなります。

そのため、現在の受付の状況を、日々の投稿やプロフィールの説明文を使ってタイムリーに示しておくことが集患に直結します。「発熱外来:電話予約制・〇時まで」のように、患者が知りたい条件を具体的に書くようにします。

また、内科は、季節の変わり目ごとに流行する感染症やワクチン接種など、1年を通して患者にお知らせすべき話題が絶えない診療科です。そのため、月ごとの投稿の題材選びには困らず、情報を継続して発信しやすいという強みがあります。

心療内科・精神科は口コミ返信で受診の事実に触れない

心療内科や精神科においては、その医院を受診したという事実自体が、患者にとって知られたくない重要な秘密となります。そのため、寄せられた口コミに返信を書く際は、来院した事実や症状、通院の期間を連想させる言葉を一切使わないよう細心の注意を払ってください。

院内の写真を載せるときも、待合室にいる患者の姿が写らない時間帯を選んで撮影するのはもちろんのこと、建物の入口を撮る際も、偶然通りかかった人や出入りする人が写り込まないように配慮します。

もし厳しい内容の低評価の口コミが書き込まれた場合でも、返信の場で事実関係を反論したり説明したりすることは避け、「ご不安な点があれば、当院の相談窓口まで直接ご連絡ください」といった、窓口への案内にとどめるのが最も安全な対応となります。

クリニックのMEO対策で禁止される行為とペナルティ

守るルールの2系統と、違反したときの結果
守るルールの2系統と、違反したときの結果

MEO対策を行う上で守るべきルールには、Googleが定めたポリシーと、医療機関として守るべき医療広告ガイドラインの2系統があります。これらに違反した場合のペナルティと、よくある禁止行為をご案内します。

  • ビジネス名に看板に無い語を足す
  • 口コミと引き換えに割引や物品を渡す
  • 職員・家族・業者に口コミを書かせる
  • 治療前後の写真や患者の体験談を投稿に載せる
  • 「地域No.1」「必ず治る」と言い切る
  • 診療していない住所やバーチャルオフィスで登録する

ビジネス名に看板に無い語を足す

プロフィールのビジネス名に、検索されやすさを狙って地域名や宣伝文句、キーワードなどの不要な情報を勝手に追加することは、Googleのガイドライン違反となります。これを含めたままにしていると、プロフィールが突然停止されてしまう場合があります。

たとえば、「〇〇内科クリニック」という実際の看板の名前で登録するのは問題ありませんが、「〇〇内科クリニック 渋谷駅3分 予約なしOK」のようにマーケティングのタグラインや所在地・予約可否といった付随情報を付け足すのは明確なルール違反です。

もし違反とみなされてプロフィールが停止されると、検索結果やマップ上から医院の情報が一切出なくなってしまいます。看板どおりの正しい名前に直して再審査を申請し、認められるまで元には戻りません。地域名などは住所欄や説明文に任せ、ビジネス名には何も足さないでください。

口コミと引き換えに割引や物品を渡す

患者に口コミを書いてもらう際、その見返りとして自費診療の割引をしたり、粗品やポイントを渡したりする行為は、Googleのクチコミポリシーで固く禁じられています。金銭だけでなく、無料の商品やサービスの提供もすべてインセンティブ(見返り)とみなされます。

このルールが禁止する対象は、良い評価を集める目的の提供だけではありません。否定的な口コミを修正・削除してもらうことと引き換えに何かを提供する行為も、同様に禁止されています。

このようなポリシー違反の口コミは、発覚した後に報告されると削除の対象となります。さらに、ガイドラインに従わないプロフィールとして停止や無効化の処分を受けるおそれがあります。また、景品によって患者を誘引する行為は、医療法上も品位を損ねる広告として厳に慎むべきとされています。

職員・家族・業者に口コミを書かせる

医院のスタッフ本人やその家族など利害関係者による口コミの投稿や、外部の代行業者にお金を払って口コミを書いてもらうことは、Googleのポリシーによって禁止されています。口コミはあくまで、実際にサービスを体験した患者自身の言葉でなければなりません。

実体験に基づいていない口コミや、業者への依頼によって複数のアカウントから不自然に投稿された口コミは、ポリシー違反としてGoogle側で削除の対象になります。悪質な場合は、プロフィールの停止や無効化といった重いペナルティにつながりえます。

こうしたリスクを避けるための正しい対処法は、実際に受診を終えた目の前の患者に対してだけ、書く内容を指定せずに「感想をお寄せください」と自然にお願いし続ける地道な活動に尽きます。

治療前後の写真や患者の体験談を投稿に載せる

医療広告ガイドラインにおいて、患者の主観や人からの伝聞に基づく治療の体験談を載せることや、患者を誤認させるおそれのある治療前後の写真(ビフォーアフター)を掲載することは禁止されています。

医療広告ガイドラインが禁止する体験談と治療前後の写真
医療広告ガイドラインが禁止する体験談と治療前後の写真(出典:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」9ページ、2026年9月時点)

平成29年の医療法改正以降、患者を誘引する意図があり、かつ特定の病院名がわかるものはすべて広告とみなされるようになりました。ホームページだけでなく、Googleビジネスプロフィールの投稿や写真、説明文も、この広告規制と同じ要件で厳しく判断されます。

患者自身が自分の意志で書いた口コミは規制の対象外ですが、その口コミの文章を医院側がコピーして、プロフィールの投稿欄で宣伝として転載した瞬間に「体験談の掲載」とみなされ違反になります。医療法の広告規制に違反すると、都道府県などからの是正命令や罰則等の対象となります。虚偽広告についても、罰則付きで禁じられています。

「地域No.1」「必ず治る」と言い切る

「日本一」「地域No.1」「最高」といった最上級の表現は、たとえそれが客観的な事実であったとしても、医療広告において禁止される表現にあたります。また、「絶対安全な手術です」「必ず成功します」といった断定は医学上あり得ないため、虚偽広告として扱われます。

正しい書き方の例としては、「〇〇の検査に対応しています」といった客観的な事実にとどめる形です。「〇〇市で最も選ばれている医院です」といった表現は使ってはいけません。

このような比較優良広告や誇大広告、虚偽広告は、医療法における是正命令や罰則等の対象となります。Google側のルールでも、ビジネスの説明欄において特典を過度に強調するような表現は禁止されているため、誠実で事実に基づいた記述を心がけてください。

診療していない住所やバーチャルオフィスで登録する

Googleビジネスプロフィールの住所として登録できるのは、実際にスタッフが常駐し、対面で患者を受け入れて診療を行っている実際の場所のみです。郵便物を受け取るだけの私書箱や、場所だけを借りたバーチャルオフィス、まだ開業していない準備中の分院などは登録できません。

たとえば、郵送先として住所だけを借りているバーチャルオフィスは、そこで患者を受け入れていないため、Googleマップ上にプロフィールを作る権利がありません。

このようにガイドラインに従っていない場所でプロフィールを作ってしまうと、停止や無効化の対象となります。実在しない所在地での登録は、その典型的な違反例としてGoogle側から厳しく監視されているため、必ず現在の正しい所在地を登録してください。

AI検索とクリニックのMEO対策の関係

AI検索が答えを作る仕組み(クエリファンアウト)
AI検索が答えを作る仕組み(クエリファンアウト)

Googleの検索画面で「AIによる概要」やAIモードを使って医院を探す患者が増えていく中でも、クリニック側がやるべき基本的な対策は変わりません。AI検索とMEOの関係について、Googleの見解を交えてご案内します。

  • GoogleはAI検索向けの特別な対策を求めていない
  • AI検索は複数の検索を組み合わせて回答を作る
  • プロフィールの整備がそのままAI検索の対策になる
  • ホームページの診療情報はテキストと構造化データをそろえる

GoogleはAI検索向けの特別な対策を求めていない

AIを使った検索結果に対して、クリニック側で何か特別な設定をしなければならないと不安に思うかもしれませんが、Googleの公式なドキュメントでは、AIによる概要やAIモードのための特別な最適化は不要であると明言されています。

Googleが医院側に求めているのは、従来のSEOの基本を継続することと、「ビジネスプロフィールの情報が最新であることを確認する」というごく当たり前のことだけです。

裏を返せば、プロフィールの診療時間や住所、提供しているサービスの内容が古いまま放置されている医院は、AIが患者の質問に答える際にも、その古い情報のまま扱われてしまうおそれがあるということです。診療時間や住所、サービス内容などを変更した際は、ホームページとプロフィールを必ず同じ日に更新する習慣をつけてください。

AI検索は複数の検索を組み合わせて回答を作る

AIによる概要やAIモードは「クエリファンアウト」という手法を使っています。患者からの1つの質問に対し、関連する複数のサブトピックやデータソースへ裏側でいくつもの検索を実行し、その結果を組み合わせて1つの回答を組み立てる手法です。

これがクリニックにとって何を意味するかというと、「〇〇市で土曜日の午後に診てくれる、車椅子で入れる内科」といった複雑な条件つきの質問をされたとき、地域、診療科、診療時間、そして設備のすべての情報が正確にそろっている医院ほど、AIの回答の候補に選ばれやすくなるということです。

この仕組みに対応するためには、プロフィールの説明文や属性の設定、診療時間の登録、そして日々の投稿の中に、患者が医院選びの条件に使いそうな情報を、ひとつも欠かすことなく丁寧に入れておくことが最大の対策となります。

プロフィールの整備がそのままAI検索の対策になる

Googleは、AI向けに新しいファイルを用意したり、特別な構造化データやマークアップを追加したりする必要はないと明記しています。つまり、これまでお伝えしてきたSTEP1からSTEP6までのプロフィールの整備作業こそが、そのままAI検索に対する最も有効な対策になります。

優先順位をつけるとしたら、まずは説明文と属性の情報を充実させて「どんな医院か」のデータを漏れなく提供すること、次に口コミの件数を集めて信頼性を高めること、そして投稿を継続して最新の情報を保つことの順に進めるとよいでしょう。

「これからはAI対策が必要です」と名乗って高額な新サービスを勧誘してくる業者には注意が必要です。「具体的にプロフィールのどこをどう変えるのか」をしっかり聞き、基本の整備以上の特別な対策は無いという前提で判断します。

ホームページの診療情報はテキストと構造化データをそろえる

ビジネスプロフィールだけでなく、クリニックの公式ホームページ側についてGoogleが挙げている基本も至ってシンプルです。重要な内容は画像ではなくきちんとテキストで示すこと、構造化データの中身をページのテキストと一致させること、そして内部リンクを整えて情報を見つけやすくすることです。

具体的な応用例としては、診療時間の表や住所、対応している診療の内容を、画像ファイルの中の文字だけで表現するのではなく、ホームページ上にもプロフィール上にも同じ値のテキストデータとしてそろえて記載することが大切です。

このホームページ側の具体的な整備方法や構造化データの使い方については、MEO対策ではなくホームページのSEO対策を解説する別の記事の領域となるため、必要に応じてそちらを参考に進めてみてください。

クリニックのMEO対策の費用相場

自院で運用するか、外注するかの分かれ道
自院で運用するか、外注するかの分かれ道

MEO対策にかかる費用は、自分たちで運用するか、外部の業者に任せるかで大きく変わります。ここでは、自院で運用する場合と業者に外注する場合それぞれの費用(確認日時点の目安)、そして費用対効果の考え方をご案内します。

  • 自院で運用すれば費用は撮影費と担当者の時間だけ
  • 外注の月額固定型は2〜5万円が目安
  • 成果報酬型は「上位表示」の定義で金額が変わる
  • 初期費用・最低契約期間・解約条件は契約前に確かめる
  • 費用対効果はマップ経由の新患1人あたりの費用で見る

自院で運用すれば費用は撮影費と担当者の時間だけ

Googleビジネスプロフィールの登録と利用は完全に無料です。そのため、すべての作業を自院で運用する場合にかかる費用は、カメラマンに院内の写真撮影を依頼したときの外注費と、作業にあたるスタッフや院長先生の「時間」だけになります。

作業の中身を整理すると、最初に行うのはプロフィールの登録、基本情報の入力、写真の追加、そしてNAP(名前・住所・電話番号)の確認です。それが終わった後の日々の運用は、月数回の投稿と、寄せられた口コミへの返信という2つの作業が中心になります。

こうした運用は、受付などのスタッフにMEOの担当を任せられる余裕がある医院や、院長先生ご自身がパソコンで管理画面をこまめに触る時間を作れる医院にとても向いている方法です。

外注の月額固定型は2〜5万円が目安

スタッフの時間を確保できず外部の代行業者に任せる場合、毎月定額を支払う「月額固定型」の契約が主流です。この月額固定型の費用の相場は、おおむね2万円から5万円程度が目安となります(確認日時点の目安)。

費用と作業内容の関係を一覧にまとめました。

方式費用の目安含まれる作業の例
自院運用0円+撮影費・作業時間登録・投稿・口コミ返信
月額固定型の外注月2〜5万円程度情報整備・投稿代行・口コミ返信・レポート
成果報酬型の外注上位表示の条件に応じた課金上位に出た期間分の課金

同じ月額固定型でも2万円から5万円と幅があるのは、業者によって月に何本のお知らせを投稿してくれるか、すべての口コミに返信の文案を作ってくれるか、そして毎月の振り返りレポートを出してくれるかといった、作業の手厚さが異なるためです。

成果報酬型は「上位表示」の定義で金額が変わる

もう一つの契約方式として、あらかじめ指定した条件で上位に表示された期間に応じて課金される「成果報酬型」があります。この方式は、契約書の中で「上位表示」をどのように定義するかで、支払う金額が大きく変わってきます。

成果報酬型を選ぶ際は、順位を計測する場所はどこを基準にするのか、いくつのキーワードで上位を目指すのか、順位の判定は手動で行うのかシステムで行うのかといった細かい条件を、契約の前に必ず確かめてください。

気をつけておきたいのは、そもそも検索する人がほとんどいない競合の少ないキーワードばかりを指定されると、上位表示の成果判定はされても新患は増えず、毎月の費用だけが満額かかる可能性がある点です。

初期費用・最低契約期間・解約条件は契約前に確かめる

業者と契約を結ぶ前に、毎月の費用とは別に必ず確認しておきたいのが、「初期費用の有無」、「最低契約期間」、そして「解約の申告期限」の3点です。これらを見落とすと、後から思わぬ出費やトラブルにつながります。

初期費用については、設けている業者と設けていない業者があり、対応が分かれます。実際の金額は見積もりを出してもらって確かめてください。

ちなみに当社のMEO支援プランを例に挙げますと、初期費用は無料で、最低契約期間は3か月としており、解約を希望される場合は1か月前にお申し出いただければお受けできる条件となっています。無理なく始められる条件かどうかを比較検討してみてください。

費用対効果はマップ経由の新患1人あたりの費用で見る

毎月の外注費用が、クリニックの経営にとって見合った投資かどうかを判断する方法があります。月額の費用を「Googleマップを見て来院した新患の数」で割って算出する「新患1人あたりの費用」で見ることをおすすめします。

計算例として、毎月のMEO外注費に30,000円を払っていて、受付で記録したマップ経由の新患が月に10人だったとします。この場合、30,000円 ÷ 10人 = 3,000円となり、新患1人を3,000円で集められたという計算になります。

新患1人あたりの費用の出し方
新患1人あたりの費用の出し方

算出した1人あたりの獲得費用と、その患者がもたらす初診の診療報酬や再診による継続的な収入を見比べると、外注費に見合う効果が出ているかを判断する材料になります。

クリニックのMEO業者の選び方

MEO対策を外部に依頼する場合、料金の安さだけで決めるのではなく、実際にどのような運用をしてくれるのか、その中身を見極めることが大切です。業者選びで失敗しないための5つの確認点をご案内します。

  • 医療広告ガイドラインの理解を投稿と返信の実例で確かめる
  • 口コミを見返りや代筆で増やす業者を避ける
  • 作業範囲と報告の頻度を契約書で確かめる
  • プロフィールの管理権限を医院側に残す
  • 同じ診療科の支援実績があるかを見る

医療広告ガイドラインの理解を投稿と返信の実例で確かめる

医療業界に詳しくない業者は、MEOの効果を出そうと焦るあまり、プロフィールの説明文や日々の投稿で、医療広告ガイドラインに違反する表現を使ってしまうことがよくあります。そのため、その業者が過去に支援したクリニックの投稿や返信の実例を必ず見せてもらってください。

実例を見せてもらうときのポイントは4点です。患者の体験談が載っていないか、ビフォーアフターの写真がそのまま使われていないか、「最高」などの最上級表現がないか、そして費用の割引などを強調していないかを確認します。

ガイドラインの理解度を測る質問として、業者との面談の際に「自由診療の料金を載せるときの限定解除の要件を説明してください」と尋ねてみるのもよいでしょう。これに即答できるかどうかが、安心して任せられるかの試金石になります。

口コミを見返りや代筆で増やす業者を避ける

業者の中には、「月に必ず口コミ〇件を獲得します」「忙しい医院に代わって口コミを代行します」といった宣伝文句を掲げているところがあります。こうした手法は、Googleのクチコミポリシーに真っ向から違反する不正な手法である可能性が高いため、避けるのが無難です。

口コミを増やす支援をお願いする場合は、その業者がどのような方法で口コミを集めているのか、具体的な手段を尋ねてください。QRコード付きのカードを用意してくれたり、受付での自然な声かけの仕組みづくりをサポートしてくれたりする業者を選びます。

もし業者の不正な代筆や見返りによる口コミの獲得がGoogleに見つかった場合、せっかく集めた口コミがすべて削除されるだけでなく、最悪の場合は医院のプロフィール自体が停止され、そのリスクを背負うのは業者ではなくクリニック側になってしまいます。

作業範囲と報告の頻度を契約書で確かめる

月額固定で運用を任せる場合は、毎月どのような作業をどれだけやってくれるのか、その具体的な範囲と頻度が契約書に明記されているかを必ず確かめてください。

理想的な契約書の記載例としては、「月4回のお知らせ投稿を代行」「寄せられた口コミの返信文案を全件作成」「月に1回、改善点を含めたレポートを提出」というように、数字を使った具体的な作業内容が契約書に書かれていることです。

注意したいのは、契約書に「MEO運用作業一式」といった曖昧な言葉しか書かれていないケースです。これでは、業者の作業が手抜きになって投稿の頻度が減ったりレポートが出てこなかったりしても、契約違反として指摘することが難しくなってしまいます。

プロフィールの管理権限を医院側に残す

業者と契約して運用を始める際、Googleビジネスプロフィールの最も強い権限である「オーナー権限」は、必ず院長先生やクリニック自身のGoogleアカウントに置いたままにしてください。業者には、編集作業ができる「管理者権限」だけを付与する形をとります。

オーナー権限は医院、管理者権限は業者
オーナー権限は医院、管理者権限は業者

なぜかというと、業者のアカウントをオーナーにしてしまうと、将来その業者との契約を解除したときに、プロフィールのアカウントごと持ち逃げされたり、失われたりするトラブルが起こるからです。

契約を結ぶ前の確認事項として、契約書の中に「解約時にはただちにプロフィールの管理権限を医院側に返還し、業者の権限は削除する」という内容が含まれているかどうかも、しっかりと目を通しておいてください。

同じ診療科の支援実績があるかを見る

クリニックのMEOと一口に言っても、美容クリニックのように指名で探される診療科と、内科のように近さで探される診療科では、患者の検索行動がまったく異なります。そのため、自院と同じ診療科で実際に結果を出した支援事例があるかどうかを業者に確認することが大切です。

事例を見せてもらうときは、ただ右肩上がりのグラフを見るだけでなく、「これはMEO単体の成果なのか、ホームページの改修も併用した結果なのか」「何ヶ月間の支援で出た数字なのか」といった前提条件が書かれているかを見極めます。

なお、業者自身のホームページの広告に「〇〇件の実績」「業界No.1」と謳いながら、その集計の対象や期間の根拠が書かれていない場合、景品表示法が禁じる不当表示にあたる可能性があります。ご自身の医院の信用に関わる相手として、根拠を誠実に示せる業者かどうかを見定めてください。

クリニックのMEO対策はクリニック集客相談室へ

クリニック集客相談室のMEO支援の流れ
クリニック集客相談室のMEO支援の流れ

「スタッフが忙しくてMEOを自院で回す時間がない」「医療広告ガイドラインに違反しないか判断に自信がない」という医院様に向けて、当社のクリニック向けMEO支援の内容をご案内します。

  • 医療広告ガイドラインに沿ったプロフィール運用と口コミ返信の型
  • 診療科別のキーワード設計と月次の改善レポート
  • 月額30,000円からのMEO単体プラン

医療広告ガイドラインに沿ったプロフィール運用と口コミ返信の型

当社のMEO支援では、Googleビジネスプロフィールの基本情報の最適化から、Q&Aセクションの整備、さらにはQRコードを活用した口コミ数の増加施策まで、必要な運用作業にワンストップで対応しています。患者とのコミュニケーションに欠かせない口コミへの返信についても、使いやすいテンプレートをご提供しています。

これらの毎月の運用やご提案はすべて、医療広告ガイドラインの規制を踏まえたリーガルチェックを経た上で行っております。医療機関としての品位を保ちながら、安全かつ効果的にマップでの存在感を高めていく運用をお任せいただけます。

診療科別のキーワード設計と月次の改善レポート

集患の戦略を立てる際は、診療科目ごとの検索行動の違いを深く分析し、「エリア名と症状」の組み合わせや、「治療名と悩み」の組み合わせなど、患者の実際のニーズに即したキーワード設計を行っています。

また、毎月の取り組みの成果をまとめたデータレポートを提出し、次に何をすべきかを記した改善指示書もお渡ししています。月1回の定例ミーティングを通じて、二人三脚で集患の改善に向き合う体制を整えています。

月額30,000円からのMEO単体プラン

MEO対策の支援は、参考価格として月額30,000円からご相談を承っております。大がかりなホームページ制作とのセット契約ではなく、「MEO対策だけをお願いしたい」という単体でのご要望にも柔軟に対応できるのが強みです。初期費用は無料で、最低契約期間は3か月からとなっております。

現在のGoogleマップでの表示状況や改善の余地を知りたいという方は、無料集患診断で自院の現状を詳しく確認することができます。初回は無料であり、強引な営業などは一切行っておりませんので、ぜひお気軽にご活用ください。

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クリニックのMEO対策に関するよくある質問

ここまでにご紹介しきれなかった、クリニックのMEO対策においてよく寄せられる5つの疑問にお答えします。

  • MEO対策は自分でできますか?業者に頼むべきですか?
  • 分院が複数ある場合はどう管理しますか?
  • 順位が急に下がった原因は何ですか?
  • 診療時間や休診日の設定は順位に影響しますか?
  • 自由診療の料金はプロフィールに書いてよいですか?

MEO対策は自分でできますか?業者に頼むべきですか?

この記事でお伝えしたSTEP1からSTEP6までの作業は、すべて自院のパソコンやスマートフォンから無料で行うことができます。業者に頼むかどうかの判断は、担当となるスタッフの時間が確保できるかどうかと、医療広告ガイドラインに沿った表現を自分たちで判断できる自信があるかどうかの2点で決めることをおすすめします。

このうちスタッフの時間に関する目安としては、毎月のお知らせの投稿と、寄せられた口コミへの返信を院内のスタッフが無理なく続けられるようであれば、自院での運用で十分です。もし専任の担当者を置く余裕がなく、更新が滞ってしまうようであれば、外注を検討するとよいでしょう。

分院が複数ある場合はどう管理しますか?

医療法人などで複数の分院を運営している場合は、それぞれの医院ごとに別々のGoogleビジネスプロフィールを作成し、それらを法人の1つのGoogleアカウントの中でまとめて管理することができます。

このとき注意したいのは、ビジネス名には「〇〇クリニック 〇〇院」のように分院の名前まで含めた看板どおりの正式名称を登録することです。また、住所や電話番号も各医院ごとに完全に別のものを登録し、情報が混ざらないように設定してください。

順位が急に下がった原因は何ですか?

これまで上位にいたのに順位が急に下がってしまった場合、よくある原因としては主に3つ考えられます。1つ目は近隣に新しい医院のプロフィールが充実してきたこと、2つ目は自院の口コミや写真の更新が長期間止まってしまっていること、3つ目は何らかのガイドライン違反によりGoogleから表示を制限されていることです。

まずは管理画面を開き、パフォーマンスの「閲覧数」がいつから落ちているかの推移を確認してみてください。あわせて、プロフィールの管理画面にポリシー違反などの警告メッセージが出ていないかをチェックしてみてください。

診療時間や休診日の設定は順位に影響しますか?

営業時間の長さそのものが、順位を直接引き上げる評価の要素になるわけではありません。しかし、患者が検索したその時間に「営業中」である医院が優先して上位に表示されやすい場面があるため、未設定や誤りがあると表示の面で不利になることは確かです。

もし臨時休診の日を特別営業時間として登録し忘れていると、患者がマップを見たときに「営業中」と表示されてしまい、実際に行ってみたら閉まっていたという事態になり、来院の機会を損ねるだけでなくクレームにもつながります。正しい設定を心がけてください。

自由診療の料金はプロフィールに書いてよいですか?

自由診療の料金をプロフィールに書くこと自体は可能です。ただし、医療広告ガイドラインで定められている「限定解除の要件」を満たす書き方に限られます。具体的には、治療内容、標準的な費用、期間と回数、そして主なリスクや副作用の情報をすべて併記する必要があります。

書き方の詳細は美容クリニックの項目でお伝えしたとおりですが、単に料金を並べるだけでなく、患者への情報提供として誠実な見せ方にすることが大切です。また、「今だけ半額」「地域最安値」といった割引を過度に強調する表現は避けるようにしてください。

まとめ:クリニックのMEO対策はGoogleビジネスプロフィールの整備と口コミから始める

クリニックのMEO対策について、検索の仕組み、具体的な手順、費用の順にお伝えしてきました。検索順位は「関連性」「距離」「知名度」の3つの要素で決まるため、医院側で情報を整えていくことが欠かせません。

取り組むべき作業は、プロフィールの登録に始まり、基本情報の入力、NAPの統一、写真の追加、継続的な投稿、そして口コミへの返信という6つのステップです。効果は管理画面の閲覧数や、マップ経由で来院した新患の数で測っていきます。

費用については、院内で運用するなら無料で進められますし、業者に外注する場合は月額2万円から5万円が相場の目安となります。運用にあたっては、Googleのポリシーと医療機関としての医療広告ガイドラインという2つのルールを守ることが不可欠です。まずは無料集患診断を活用して、ご自身のクリニックがGoogleマップで今どのように見られているかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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